ニューヨークに引っ越して1ヶ月半。来週からニューヨーク大学(NYU Stern School of Business)のMBAがスタートする。

MBAへの道

facebookでは書いたけど、まずは改めてここに至る背景をまとめてみる。

10年前、新卒でリクルートコスモスというリクルート系の不動産デベロッパーに入り、2年半の修行を経てオッサンがメインプレイヤーの不動産業界では最年少近くで起業した。ローカル&ニッチな事業をやっていたこともあり、1年くらいは食えない時期もありつつある程度軌道に乗り、不動産、メディア、クリエイティブというユニークな領域で様々なプロジェクトをゼロから作ってきた。

アメリカに行くことを決めたのは2年前。会社自体は少しずつ大きくなり14人まで増えた状況で、福岡でのQOLの高い生活を楽しんではいたのだが、どこかでずっと物足りなさを感じていた。起業したときから目安にしてきた30歳になり、固定概念のない状態で次の目標設定をする必要もあった。ただ、起業家として次により大きなチャレンジを仕掛けるに当たり、(シリコンバレー在住を挟んだのを除き)8年間福岡という地方都市に居続けてはスキル・メンタル・タフネス・アイデア含め、数段上のステージにいける気がしなかった。

ニューヨークには人生で一度は住んでみたいと思っていて、イマしかないと思った。MBAに行こうと思ったのは、実はNYに住む手段として後付けだったりする。ただ最近のMBAは経営戦略を学ぶだけでなく起業家を排出することにもかなり力を入れており、インキュベーター的機能を増してきているし、グローバルに活躍する友人をつくれ、刺激を受けながら次の人生を考えていくには最高の環境だ。と今では思う。

1年半ほどアホみたいに勉強し、TOEFL(英語のテスト)とGMAT(英語版センター試験みたいなの)をやっつけ、自分の会社の採用面接を採用側としてやりながら、英語でのMBA面接を受けまくるという辛い時期を乗り越え、なんとかNYUに合格した。その過程でラッキーなことにフルブライト奨学生という日米政府が運営する奨学金にも合格した。会社の経営は、創業当時に加入し長らく営業責任者をやっていた長谷川繁に代表取締役を引き受けてもらい、すべて任せることにした。

卒業したら何するの?とはよく聞かれるが、決めていない。いまの自分が思いつくことをやるんだったらいますぐやればいいだけ。自分はそれを考えに来たのだ。もちろん、起業して8年経っていまさらMBAに行くなんてほんとあり得ない人生・キャリアだよな、とは思ったりしている。いや、していた・・・。

とある起業家との偶然の再会

つい数日前、ここNYで信じられない再会を経験した。コロンビア大学のサマースクール(MBAの準備プログラム)の授業が終わり、アルメニア人のクラスメイトに連れられてギリシャ料理屋に行ったのだが、そこでたまたま遭遇したのが新卒でリクルートコスモスに入ったときに採用担当だった先輩だ。Fさんとしておこう。たぶん会うのは7年ぶりくらいだ。

おお!!!NYでなにやってんの?という話の中で、ぼくらはともに、
早稲田理工→リクルートコスモス→(Fさんはベンチャー役員を経て)→起業→MBA
という人生を送ってきて、いまNew Yorkで遭遇したのだということがわかった。目的も全く同じで、次のステージへの準備だという。

こんなキャリアはないだろうと思っていた矢先に、全く同じ道を進む人に同じ時に同じ場所で出会う偶然に衝撃を受けたし、因縁めいたものを感じた。

なにを隠そう、Fさんは新卒の配属で自分を福岡送りにした張本人だ。「ホンダ、福岡ね。」と彼から配属を知らせる電話がかかってきたとき、正直福岡がどこにあるかすら知らなかった。そして、「いや、まあ研修みたいなもんだし、半年くらいで東京に帰れるよ」と説得されたのだが、その彼は半年後にベンチャーに転職するとかで会社を去っていった。おいおい話が違うじゃねーか、と福岡での上司にかなりキレ気味に早く東京に戻してくれと言い続けたが叶わずに、そのまま福岡で起業するきっかけを作った人だった。

話が少しそれたけど、起業家がMBAに行くというのは、ぶっ飛んだ発想ではないようだ。もしかしたらこれから増えていくのかもしれない。実は自分の人生を実験にして、どういう結果になるのか試しているという側面もある。ドメスティックな日本人起業家が、グローバルな刺激を受け、次にどんな一歩を踏み出すのか。時間と金の無駄なのか、なにかが大きく変わるのか。

それは数年後にならないとわからない。大学の巨大な図書館でこの記事を書きながら、32歳にもなって仕事から離れて勉強できる環境にいられる有り難みは感じている。

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