スタンフォード大学にはd.school(Institute of Design at Stanford)という「Design Thinking=デザイン思考」を教えるプログラムがある。ここが、毎月ツアーをやっているとのことで、早速行ってきた。

d.schoolについて

事前情報なしに行ってきたので、d.schoolの凄さに圧倒されてしまったのだが、後々聞いたら、あの有名なデザインコンサルティングファームIDEOの創業者が学科の創設を担ったとのこと。さすがスタンフォード。

d.schoolでは、デザイン思考はどんな仕事・プロジェクトにおいても重要だという思想のもと、経営、情報技術、法律など多様な学科の学生が履修するらしい。全く以て異論なし。僕は大学で建築学科専攻だったため、自ずとデザインや設計のクラスを履修していたのだが、そのほとんどは「建築」という専門に寄りすぎていて、広義なデザイン思考を学ぶ機会はなかったように思う。(授業出てない&聞いてないお前が言うなというツッコミはさておき。)

ツアーの中でも特に力を入れて説明していたのが、「問題解決のためのデザイン思考における5 つのプロセス」が非常に重要だということ。5つのプロセスとは、具体的には下記の通り。

  1. empathy:課題の対象に感情移入する
  2. define:問題を定義する
  3. ideate:アイデアをたくさん出す
  4. prototype:プロトタイプを作る
  5. test:試験し、フィードバックを得る

このプロセスは、モノづくりだけでなくあらゆる問題解決の過程で応用できる。そして、d.schoolではこのプロセスを実際にクラスを通して経験していくことができるそうだ。

ちなみに、d.schoolだけでなく、IDEOでも言葉やステップ数は少々違うが実践されている。わかりやすい比較表がありました。

建物について

d.schoolのプログラムそのものの話からは逸れるが、デザイン思考を学ぶための「場」にも様々な工夫がされていた。

まず、建物は巨大な倉庫の内部にオフィス基地を作ったようなテイスト。

レセプションには履修している学生の顔写真・名前・専攻が並んでおり、リアルfacebookみたい(いや、逆にfacebookが学生名簿をデジタル化したのか・・)。

プロトタイプを作る工房ルームには、たくさんの工具や器材が揃っており、どんなモノでも作れそうな安心感がある。(ちなみに「モノ」を作るだけが課題ではなく、「WEBサービス」を作ることもあるのでPCルームとかもある)

広いスタジオルームには、天吊りの可動式パーティションがすべてホワイトボードになってる。これにより、フルオープンにもできるし、ところどころ区切ることもできる。しかもその壁がホワイトボードに。

ちなみに、机や椅子はあえて高くしてあるそうだ。低い椅子にゆっくりくつろいで座るのではなく、いつでも立ち上がってアイデアをどんどんホワイトボードに書いたり、アクションを起こしやすいようにする仕掛け。

壁側にはプロジェクトごとに個室(といっても簡単なホワイトボード間仕切り)が並んでいる。中にはそこら中にポストイットが貼ってあった。

先ほど書いたデザイン思考の5 stepsがホワイトボードの至る所に書いてあった。それだけ重要だということ。

これらのアイデア創出型の仕掛けは、企業のオフィスなどにもどんどん取り入れるべき。

ツアーについて

最後に、d.schoolのツアーについて。

僕が参加したツアーは、一般向けに月に1回程度、1時間かけて行っており、すべて無料だ。参加者は1回に30人程度。20代~60代まで、職種、目的も様々なようだった。

インストラクターをしてくれたd.schoolの2人は、とてもカジュアルなスタイルで話していた。

また、ツアーの最初に、参加者全員に簡単な自己紹介と参加した理由を話させたのも面白かった。全員参加型の意識を持たせるためのアイデアだろうか。

このようなツアーは、他のあらゆる施設でも応用できるはず。都度都度でなくまとめられるので、省力化できるし、クオリティも上がる。認知も上がる。と、説明を聞きながら感心していた。いやー、面白かった。

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